スイス国内だけめぐる旅をする人がまず最初に考えるのは、スイスの主要鉄道、および郵便バスなどが乗り放題になる「スイスパス」の利用です。スイスに住んでいない外国人旅行者向けの交通割引パスも日本で購入すれば、現地での交通費をかなり押さえることができます。
誰でも得して使えるお得なパスの種類と入手方法をみていきましょう。
現地交通費を安くあげるには?
宿泊費の次にかかる項目が交通費。スイスの場合、鉄道に加えて登山電車やロープウェイなどの山岳交通機関の利用が中心になります。
スイスにはいろいろな種類の交通割引パスがありますが、なかでも交通割引パスの代表格とも言える、スイスパスとスイスフレキシーパスをご紹介します。これが無いと始まらないほど重要なのです。さまざまなパスを比較してみましょう。
スイスパス
- 4日間(39,600円/25,100円)
- 8日間(56,700円/35,900円)
- 15日間(68,600円/43,200円)
- 22日間(78,900円/49,700円)
- 1ヶ月間(86,700円/54,600円)
決められた期間内、スイス全土の国鉄、ポストバス、ほとんどの私鉄と湖船が乗り放題になります。期間内の定期券と考えると簡単です。また、登山列車、ロープウェイ、リフトなどでも50%割引になるこがほとんどです。必ず購入時にパスを提示して割引可能かどうか聞くのが確実です。
毎回切符を購入する手間と時間を省ける上、思い立ったときにすぐに乗り物が利用できるスイスパスはやっぱりおすすめ。行き先や経路の変更も自由自在なので、行動範囲がグッと広がります。
スイスパスは、一定期間の中で毎日のように鉄道移動をする人にとっては夢のようなパス。でも実はこのスイスパス、滞在する地域や旅のパターンによってはあまりトクにならないのです!
反対に一ヶ所にじっくり滞在してほとんど移動がないような場合は、逆に高くついてしまうかもしれません……。一都市で2~3泊したい人はスイスパスは必要ありません。そんな一か所滞在型の人にお勧めするのが、次に紹介するスイスフレキシーパスです。
スイスフレキシーパス
- 3日間(37,900円/24,000円)
- 4日間(45,700円/29,000円)
- 5日間(52,700円/33,300円)
- 6日間(59,900円/37,800円)
スイスパスに似たようなパスで、スイスフレキシーパスがあります。スイスパスと違う点は、一ヶ月の有効期間の間に使用する日を任意で選べる点。
スイスパスが4日間なら、連続する4日間で有効なのに対し、スイスフレキシーパスでは有効期間1ヶ月間の間で希望する4日を指定することができます。一都市の滞在が一月とか長いスケジュールを組んだ場合に適しています。
例えばスイスでの滞在は合計8日間、山での滞在が中心でも、別の宿泊地への移動日が合計4日間あるといった場合なら、 スイスフレキシーパスの4日間をおすすめします。
スイス半額カード
スイス全土の国鉄、ポストバス、ほとんどの私鉄と登山列車の切符が半額で購入できます。有効期間は一ヶ月。それほど頻繁に移動しないのであればスイスパスよりもお得です。
- スイス国内主要駅で購入できる。
- 切符を窓口で買うときにこれを提示すれば、購入する切符が50%割引になる。
- 自動販売機で切符を買うなら、1/2というボタンを押せばOK。
- あとは車内検札のときに、車掌さんに半額カードと切符を同時に提示するだけ。
しかもスイスパスではせいぜい20~30%くらいしか引かない登山列車やロープウェイなどもばっちり半額になります。元はすぐに取れ、金額的には一番おトクになる可能性が高いのです。
その他に1~3年有効の半額カードなど、おトクな切符はいろいろあるので、あなた向けのものを探して利用するのが賢いやり方ですよ。
スイスパス、スイスフレキシーパスを手に入れるには?
筆者は日数が一週間と限られていたため、迷わずスイスパスが最も有効だと判断しました。何と言っても今回の旅のメインでもある、氷河特急やベルニナ特急も利用できるのです(座席指定別途)。
パスは日本の旅行会社や『Rail Europe』自社ページから購入するのが一番確実です。日本語で対応しているのでとても簡単です。ただし、予約後には未使用券でも内容変更ができないなど、デメリットがあるので注意してください。
『Rail Europe』で申し込むと、このような書類(納品書のようなもの)と切符が郵送で送られてきます。一枚目はチケットの名称や購入した日数が書かれています。窓口でバリテートしてもらう為に必要。二枚目は乗車する人の名前が記入されています。この二枚は必ず持参して、いつでも提示できるようにしてください。
現地の駅では、パスを使用する前に、日付を入れてスタンプを押してもらう「バリデート」と呼ばれる手続きが必要になります。手続きは簡単です。スタートさせたい日に駅の窓口に行きチケットを提出すればスタンプもしくは手書きで記入してくれます。ちなみに初バリデートはチューリッヒ中央駅でした。
まとめ
- スイスパスは、通用期間内であればのスイス国内のすべての鉄道を利用できる。
- スイスフレキシーパスは、一か月間の有効期限内で自分の使用したい日を選んで使える。
- スイス半額カードは、通用期間一ヶ月でカードを提示すれば、切符を半額で購入できる。
- スイスパスなど各種パスは、レイルヨーロッパのウェブサイトや、日本の旅行会社で入手できる。
スイストラベルパスの一番ありがたいのは、駅でその都度切符を購入する必要がない点です。 窓口で切符を買う際には、目的地・人数・片道か往復か?・1等か2等か?などを伝えることになります。これを英語で…となると想像しただけで気が重くなってしまいます。 地名の発音など、日本式の発音では通じないことも考えられます。
定期券のような感覚で使えるスイストラベルパスは、このようなややこしい切符を買う手間を省いてくれます。 切符の窓口が混雑してイライラさせられることもありません。
スイスの鉄道は改札がないかわりに、車内で検札があります。初めての場合は少し緊張する場面ですが、切符のかわりにパスを見せるだけで完了なので実に簡単! まるで水戸黄門の印籠を持っているような気分を味わうことができますよ。