観光立国スイスだけに、今は日本で使っている自分の携帯電話をそのままスイスでも使えるようになりました。スイス国内では固定電話より携帯電話の契約者が多いくらい、移動電話は発達しています。特に旅行者にとっては必須の、スイスのネット事情について掘り下げていきたいと思います。
Contents
優れたスイスのネット接続事情
スイスでスマートフォンや、タブレットなどでデータ通信する場合は、
- 海外ローミングによるパケット通信
- 公衆無線LANを利用する
- 持ち運びできるWi-Fiルーター(ポケットWi-Fi)をレンタルする。
- プリペイドSIMを購入する。
の4通りの方法があります。ここではデータ通信のおすすめの順に説明します。
①持ち運びできるWi-Fiルーターをレンタルする
都市部の比較的ビジネスマンがよく利用するホテルは、各部屋にデータポートが用意されているので、ユーザー名とパスワードを手に入れればすぐにアクセスできます。ネットのインフラは整備されていますが、旅行者が利用するホテルとなると、まだまだ場所によってかなり差があるようです。
確実にネット環境を確保したいなら、日本からレンタルのモバイルルーターを持参しましょう。スイス最大の通信会Swisscomが提供するホットスポット(無線LANがつながる場所)空港や駅、ホテルなど、国内1700カ所以上あります。
スイスでは3G回線を使用することが多いので、公衆無線LANのような高速通信ができるエリアは限られますが、ポケットWi-Fiを持ち歩けば街中でGPS連動地図やウェブサイトを閲覧できます。1台のルーターに5台までつながるので、グループで利用すればかなりお得です。1日あたり1台約1000~1300円で利用できます。
Wi-Fiルーターは日本国内で簡単に予約ができます。出国前に空港で受取ることも自宅やオフィスで受取ることも可能。スイス用モバイルWI-Fルーターが1台あれば、スマートホンでのインターネット利用も日本にいる時と同じように使えるのでとても便利です。
Wi-Fiルーターの便利な利用方法①地図アプリでナビゲーション
Googlemap ではどこでもルート検索が可能です。
例えば現在地から最寄駅までのルート検索をしたり、目的地まで電車で行く際の乗換案内も可能です。Googleマップとインターネットがあれば迷わずどこにでも行けそうですね。その他、道に迷ったときに、誰かを呼び止めて地図を見れば問題解決です。
便Wi-Fiルーターの便利な利用方法②インターネットで観光地検索
スマートホンとWi-Fiルーターがあればガイドブックすら必要ありません。ガイドブックにはわりと古い情報が載っていたりするものです。カバンの中でかさばるガイドブックを持ち歩くことも必要ないです。いつでも最新情報が入手できるし、フリーWi-Fiの場所を探す手間も省けます。
②無料の公共無線LANを利用する
多くのホテルでネットの接続環境を提供しているので、スマホやタブレット、PCを持っていれば、インターネットのアクセスやeメールのチェックが可能です。ホテルでのネットアクセスは無料のところが多いですが、通信速度は場所によって大きく異なります。
近年は高級ホテルなら無料の無線LANを全室に備えていて、中級~エコノミーホテルはロビーに備えているのが常です。もしも宿泊ホテルの無線LANが有料で高いならば、スイスコムの、公衆無線LANホットスポット(Public Wireless LAN Hotspot)を利用しましょう。
バリューカード(Value Card)という専用のプリペイドカードを購入すれば、これらのポイントを利用することができます。
バリューカード(Value Card)とは?
クレジットカードで公衆無線LAN利用カード(PWLAN Value Card)の契約をすれば、最初に使用した日から下記の表の通信が使い放題になります。スイスの国際空港、国鉄駅、列車内、ホテル、レストランなどさまざまな場所で使えるので、移動の多い旅行者にも最適です。
カードはすべてログイン回数は無制限。旅行期間とネットの使用頻度に合わせて無駄のないように選びたいものです。バリューカードは、各スポットやSwisscomショップで購入できます。クレジットカードの場合は、カード番号を利用時に入力すれば使うことができます。
- 30分(7時間) 5スイスフラン(約550円)
- 3時間(7日間) 15スイスフラン(約1650円)
- 30時間(7日間) 45スイスフラン(約5000円)
- 24時間(1日間) 25スイスフラン(約2800円)
- 150時間(31日) 125スイスフラン(約13800円)
スイス各都市の講習無線LANスポットを調べる方法は、スイス政府観光局日本支局のホームページ『www.myswiss.jp』(日本語)→エリア→都市名を入力→無線LANスポット→Alle Hotspotsをクリックします。するとその都市の地図が出て公衆無線LANスポットが赤い旗で示されます。
観光案内所を賢く利用する
スイスではスーパーのミグロで無料の無線LANを利用できるところがあります。各都市にあるほとんどの観光案内所でも無料の無線LANが利用可能です。
また、シャモ二・モンブランの観光案内所では無料の無線LANが24時間利用できます。シャモ二・モンブランでは、観光案内所が閉まっていても外でできます。ただし、シャモニ以外では観光案内所の営業時間内のみ利用可能のようです。
シャモ二到着後の夜19時頃、ホテルの場所を確認しなければたどり着けない状況があり、ダメ元で観光案内所に行きました。もちろん営業時間外でまさにこの状況でしたた。そこで一人の欧米人がパソコンを利用していて、「ここは使えるよ!」と教えてくれたのです。
③日本で使用している携帯電話を利用する
スイス国内では、固定電話より携帯電話の契約者が多いくらい、移動電話が発達しています。こちらもswisscomのシェアが最大で、スイスの居住地域の98%をカバーしています。
スイスは3G方式とCGM方式に対応しているので、日本の携帯やタブレットをそのまま使ってローミングする場合、日本で使用している携帯電話・スマートフォンが3G/GSMに対応した端末で、かつキャリア(携帯電話会社)で海外使用契約をしている場合は、そのままスイス国内でも通話・パケット通信が可能です。
NTTドコモ「WORLD WING」、ソフトバンクモバイル「世界対応ケータイ」ソフトバンク、au「グローバル・パスポート」対応機種で、かつそれぞれで契約をしていることが前提となります)。
けれど、1日1980~2980円となりかなり高額です。メールを1通送受信しただけでもこの金額がかかってしまいます。どうでもいいメールを自動受信しないように受信設定しておいたほうが無難です。
日本で使っている携帯電話を使用する場合、上限請求額が決まっている契約でも、国境地帯で提携外の現地通信会社にアクセスしてしまったために高額の請求がされたケースもあるそうです。気軽に使える反面、気をつけないと高額な通信料が請求される可能性があります。
④プリペイドSIMを購入する
最近の機種のように、手持ちの携帯電話がSIMフリーの機種(NTTドコモ「海外パケ・ホーダイ」、ソフトバンクモバイル「海外パケットし放題」などSIMロックの掛かっていない、3G/GSMに対応した携帯電話・スマートフォン)であれば、プリペイドSIMを挿して使うという手もあります。
プリペイドSIMは、スイス国内の空港や鉄道の駅などで買えます。また、日本国内でもネット通販できます。最大手のswisscomは殆どの町に支店があり、電波状況が最も安定しています。SMS、MMS、WAP、インターネットが可能で、パスポートの提示のみで5分もあればプリペイド用SIMカードを発行することが可能です。
観光地とホテルのフリーWi-Fi事情
マッターホルンのお膝元、ツェルマットのフリーWi-Fi事情
一年を通して観光客が途切れることなく訪れる街、ツェルマットでのフリーWi-Fiの使い勝手なのですが、駅前ロータリーには観光客向けのインフォメーションがあります。そのインフォメーションセンターではフリーのWiFiが、利用者登録なし、パスワードの入力もなしで利用できます。
日本で高速4G通信になれてしまっていると少々遅く感じますが、それほどストレスにはなりません。ゆったり座ってパソコンを広げるような机や椅子もありませんので、スマホ、タブレット向けです。
ツェルマットではケーブルカーや山岳鉄道がとても充実してます。ケーブルカーやゴルナーグラート鉄道で山を登っていくと、途中や終着の駅や駅に併設されたレストラン・土産物屋ではフリーWi-Fiが利用できます。パスワードはレストラン等で食事した際のレシートに書かれてます。買い物したレシートに記載されたPWを入力することでWiFiの利用が可能になります。
ホテルでのフリーWiFi
今回、スイスでは6つのホテルに滞在しましたが、実際2つのホテルでWi-Fiを使用しました。グリンデルワルトのエコノミーホテル(星2つ)では、フロントのみWi-Fiが使えました。フロントでパスワードの紙をもらい、パソコンも使い放題。必要であればプリントアウトもしてくれます。エコノミークラスのホテルはこの方式が一般的ではないでしょうか?
もう一つは、シャモニ・モンブランのホテル。チェックイン時に「Wi-Fiはご利用になりますか?」と聞いてくれました。当たり前のように聞いてくれました。ここは宿泊者共通のパスワードを入力すればOKです。しっかりとインターネットに繋がり、ストレスもなく検索ができました。
宿泊者共通のIDやPWが書かれたボードがフロント上に置いてあったり、ログイン情報が書かれた紙切れを渡してくれたりと利用方法は様々です。
スイスでの無料WiFiスポットのメリットとデメリット
それでは、最初に公衆無線LANを利用する場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。
フリーWiFiのメリット
- 面倒な手続きが要らず無料です。
これだけですが、無料というのは最大のメリットです!高級ホテルなら無料の無線LANが備わっているので、これを使わない手はありません。鉄道もフリーなので、時刻表や乗換案内を調べるのにもありがたいですね。ここぞとばかりに使いましょう。
フリーWiFiのデメリット
- 利用できるフリーWIFIスポット場所が分かりづらく、外出中にインターネットに接続できる機会を逃してしまいます。
- セキュリティ面の不安があります。クレジットカード情報等は入力を控えた方がいいです。
パスワードを入手する為に、わざわざ買い物をする必要があったり、フリーWi-Fiスポットを探したりと、インターネットに接続するために、手間等をかけることにあります。時間が限られた旅行者には使いづらいですね。必要な時にサッと調べられないと、ストレスになるかもしれません。
スイスでのレンタルWiFiのメリットとデメリット
次に、スイス用にWi-Fiをレンタルした場合のメリット、デメリットをみてみましょう。
モバイルWiFiルーターのメリット
- いつでもどこでも、場所を選ばずインターネットにアクセスできます。
- 自分専用のネットワークだからセキュリティ面で安心です。
- 現地の言葉が話せなくて、フリーWi-Fiの有無を聞くことができなくても大丈夫です。
- 街中や山の中、ホテル、レストラン等でフリーWi-Fiスポットの有無に関わらずに気軽にインターネットにアクセスできます。
- スイス到着後、初めて使うときに一度パスワードを入力するだけで、あとは電源を入れるだけで自動接続されます。
- レンタルした時に日本語の説明書がもらえます。いざというときの連絡先も記載してあるので安心です。
有名な観光地や観光案内所でよくありがちですが、無料で利用できるWi-Fiスポットのように、利用者が多くて速度が落ちてなかなかつながらない、ということがあります。その点、自分だけのWifiルーターがあれば、いつでもどこでも、安心して使えますね。
モバイルWiFiルーターのデメリット
- ルーターをレンタルするのにお金がかかります。
- レンタルWiFiは利用出来るデータに制限があります。
特にyoutubeなどに投稿された動画のチェックなど大容量データの送受信は、できるだけ最小限にした方がいいでしょう。LINEの音声通話は無料だからと言っても、LINEはデータ通信に他なりません。長話しは避けた方が良いでしょう。
まとめ
- スイスのインターネット環境はとてもよく整備されていて、Swisscomが提供するホットスポット(無線LANがつながる場所)は、国内1700カ所以上あります。利用する場合は、バリューカード(Value Card)という専用のプリペイドカードを購入します。
- スイス用Wi-Fiをレンタルすれば、フリーWiFi利用時のデメリットが解消できます。
- Wi-Fiが便利だといっても、動画など大容量の通信はなるべく控え、ホテルやフリースポットのWi-Fiが無料ならば、それを上手く使い分けて活用しましょう
それでも観光立国スイスだけに、ホテルやフリーWiFiのスポットが充実しています。中でもバリューカードは驚きの安さだと思います。一週間(7日間)使えて、30分5スイスフラン(550円)はかなりの安値だと思います。
バリューカードを購入するのが面倒な方は、日本で前もってWi-Fiルーターをレンタルすれば、時間を有効に使えます。グループで使用すればかなり安値で使用できるので、選択肢はぐっと広がると思います。