グリュイエール(Gruyères)と聞くと、きっとみなさんチーズを思い出すかもしれません。その通りです!スイスを代表するチーズ、グリュイエールチーズが生まれた村です。
今回紹介するのは、駅前のチーズ工場『La Maison du Gruyere』、いわばチーズのテーマパーク。併設される売店ではチーズも食べ放題で、まさにチーズ好きにとっては天国のような場所です。
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そういえばグリュイエールって?
そもそもグリュイエールとはチーズの名前。その名前の由来となったのがこの村の名前。つまり、グリュイエールチーズの生まれ故郷がこの地なのです。用途としてはチーズフォンデュ、ラクレット、クロックムッシュ、キッシュなどにつかわれるなど、大変濃厚な味わいが特徴です。
そのスイスのチーズを代表するグリュイエールチーズは、この村の周辺で作られています。村は200mほどの石畳のメインストリート1本と中世の城からなっている。時が泊まったかのように静かで、可愛らしい村です。
このスイスを代表するチーズの村ですから、それはそれは、村中のショップや飲食店はチーズ一食、いや一色。そこらじゅうからチーズを食べる香りが漂ってきて、この村に来てチーズを食べないで帰るという選択肢は無さそうなくらい、チーズ漬けの村になっています。
グリュイエール村ってどこ?
グリュイエールはスイス西部のドイツ語圏とフランス語圏の境にあるフリーブール州の小さな村です。こんなに小さな村なのに、世界中から観光客が集まるんです!それもそのはず、世界的にも美味しいと知られるチーズの原産地であると同時に、山に囲われ田園風景の広がる、いかにもスイスな優しく逞しく、そして美しい景観が広がっているからです。
グリュイエールの旧市街はお城の立つちょっとした丘陵の上にあります。石畳、旧市街をぐるりと囲う古い家屋、教会、その周りにはばかる山々、中世の風情をそのまま色濃く残しています。夏にはゼラニウムの花々が家屋の窓に飾られ、冬にはクリスマス装飾で華やかになるそうです。
都会の洗練された旧市街とは異なり、田舎町の素朴さがあるところがグリュイエールの町の魅力といえます。この旧市街の規模は非常にコンパクトで1時間もあれば余裕で回れてしまいますが、その素晴らしいアルプスの田舎の雰囲気に包まれると、不思議と何時間でも過ごせてしまいます。村のメインストリートはレストランや土産物屋がたくさんあり、観光客が行き交い活気があります。
村は200mほどの石畳のメインストリート1本と中世の城からなっています。時が泊まったかのように静かで、可愛らしい村です。30分もあれば全体を見て回れそうなほど小さい村なのですが、丘の上にあるため地面はどこもかしこも起伏があって、ちょっと歩くだけでなんだか疲れてきます。レストランや土産物屋がたくさん。観光客が行き交い活気があります。
グリュイエールへのアクセス方法
チーズフォンデュのふるさと、グリュイエールへ。ベルン中央駅からまずフリーブールへ出ます。フリブール駅前から30分おきに運行しているビュル駅前行きのバス(Bulle-Gare)で終点まで行き、ビュル駅からはローカル電車でグリュイエールへ。緑豊かで朗らかな山に囲まれたこの町にいると、今にもアルプホルンが聞こえてきそうです。
車窓から望める景色だけでも十二分に楽しめるはずです。
なぜ山の中腹にこんな雰囲気の良い村が?
チーズの故郷ということで大変に人気のある観光地グリュイエール。ここの一番にして最大の見ものは、なんといってもグリュイエール城でしょう!なにより村の雰囲気がバツグンです。なぜこんな山の上に、石造りの立派な村が現存しているのでしょうか?
その秘密はグリュイエール城にありました。このお城は、中世より栄えたグリュイエール伯爵の居城で、スイスでも最も古く伝統ある城になるのだそう。かつては19人もの伯爵に治められたといいいます。残念ながら今回外観だけで、遠くから写真の撮影をするだけ。中では城と村の歴史を学ぶことができるようです。
そんな歴史ある城の城下町として栄えたグリュイエール村は、戦火に遭わなかったこともあって、中世のままの街並みを維持しています。タイムスリップしたような感覚を受ける、なんとも不思議な村です。
また軒を連ねているお土産やさんも魅力的です。そのほとんどがチーズ屋さん、というところがいかにもチーズ原産地です。チーズのほかにもご当地スイーツのメレンゲや、スイスの伝統工芸品、民芸品も売られています。一人用チーズフォンデュ鍋などもあり、見ているだけでも楽しめます。素朴なテイストがまたいかにもスイスの田舎風で惹かれます。
チーズ工場「La Maison du Gruyere」を訪ねる
次は駅前のチーズ工場『La Maison du Gruyere』を見学します。グリュイエールチーズの工場は村から少し離れたところにあります。1階の右にチーズレストラン、正面にチーズセラー、左にチーズ即売所があります。カジュアルなレストランとお土産屋さんも併設されていますよ。
2階に見学場(入場料7スイスフラン/約800円)があり、そこから毎日9時~11時と12時30分~14時30分にチーズを作る様子を見学できます。チーズ工場全体がチーズの香りに包まれています。ここでもスイスパス有効で無料で入れます。
真を撮るのを忘れてしまいましたが、まずチケットとお土産代わり(?)に熟成期間の異なる3種類のチーズをもらいます。熟成が進むにつれ、クリーム色だったチーズはだんだんと黄色く。年数が違うだけでもう別の食べ物みたいです。このあたりはウイスキーに近い印象です。
チーズを作る工程をじっくり見学
以下の説明は、館内にある言語を選択できる小型案内器で使用し、日本語で聞く事ができ、かなりチーズの勉強ができます。
近隣の山々の牛から集められた牛乳が毎日この工場に運ばれるのだそうです。この過程では、4800リットルも入る鍋にミルクを移し、それをゆっくりとかき混ぜながら温めます。この界隈で採れた独特の発酵剤を入れる事で、グリュイエール地方独特の風合いのチーズになるのだそう。実際にチーズを作っている1階の工場を2階からのガラス越しに見学します。
その後、子牛の胃から採取した凝固剤(酵素)をまぜ、プレス機に半日ほどかけてチーズの “原型” を作ります。昔はひとつひとつ複雑な行程でとても大変であったのでしょうが、今はスイッチ一つのようです!
見逃しがちなのが、このチーズ保管庫です。なんと、行程とは別の場所にあります。受け付けカウンターの脇にひっそりと存在しますので、ぜひこちらを訪れたなら見逃さないようにしてください。
まるでチーズのCMを観ているような光景、ズラーリと並ぶチーズ!
この後20時間ほど塩水に漬け、更にはセラーに移してゆっくりと時間をかけて熟成させると、約6ヶ月ー1年程で美味しいグリュイエールチーズの出来上がり。完成したチーズは約70センチの厚さがあり、35キロの重さがあるそうですからスゴイ!
熟成の長さにより味わいも異なるのですが、熟成期間は、5~6ヶ月、順に7~8ヶ月、9~10ヶ月とあり、日本人にはマイルドタイプ(熟成5-6ヶ月)が好まれるそうです。私もマイルドタイプが好きです。ちなみに通のスイス人たちは、熟成度の高いものを好まれる方が多いようです。
グリュイエールチーズは風味を科学的に分析すると、75種類もの異なったフレーバーが検出されるそうです。世界を代表するチーズの一つである美味しいチーズになる所以も、理解出来るような気がします。
まとめ
都会の洗練された旧市街とは異なり、田舎町の素朴さがあるところがグリュイエールの町の魅力といえます。この旧市街の規模は非常にコンパクトで1時間もあれば余裕で回れてしまいますが、その素晴らしいアルプスの田舎の雰囲気に包まれると、不思議と何時間でも過ごせてしまいます。
美味しい空気を吸ってたくさん歩いた後、ランチに旧市街の雰囲気満点のレストランでグリュイエールチーズを使ったチーズフォンデュを食してみてはいかがですか?
アクセスが少々面倒ですが、是非訪れてみてください。車窓から望める景色だけでも十二分に楽しめるはずです。駅前にあるグリュイエールチーズ工場「ラ・メゾン・デュ・グリュイエール」とスイスチョコレート工場「メゾン・カイエ」と組み合わせて観光に行かれると一石三鳥ですよ!