スイスで一番険しく、ドラマチックな山々が連なるのが、マッターホルンの麓にある山岳リゾート、ツェルマット周辺です。そして、スイスでおすすめナンバーワンの展望台といえば『ゴルナーグラート』。展望台へ向かうゴルナード登山鉄道の車窓からは4000m級の山々を望めます。世界屈指のビューポイントが目白押し!のゴルナーグラート展望台の楽しみ方を紹介します。
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朝食を食べたら、晴天を祈りつつアプト式登山鉄道で、標高3089mにある『ゴルグラート展望台』へ。目の前に広がるのは、マッターホルンをはじめ、モンテ・ローザなどの4000m級のアルプスの名だたる名峰。また、連なるゴルナー氷河の迫力ある大パノラマが楽しめます。
ゴルナーグラート展望台に上り、視線を足元に移せば雄大な氷河の流れ。360度全方向にアルプスの山々が眺められます。この場所を「アルプス随一の展望台」と評する人が多いのも、実際にその景色を眺めてみれば納得することでしょう。
ここは展望台までの登山鉄道の車窓風景もスイス随一と言われるほどの素晴らしさです。ツェルマットを訪れたら真っ先に上りたい場所です。
登山鉄道乗り場は、駅の目の前にあり、次の登山鉄道の出発時間が表示されています。夏の間は、ほぼ24分ごとにでています。片道38スイスフラン(約4200円)、往復68スイスフラン(約7500円)。9-16歳は半額です。スイスパスで50%割引になるので、必ずチケット購入時に提示しましょう。
座席は、マッターホルンが見えれば進行方向右側、見えなければ左側がおすすめです。出発するとマッターホルンがぐんぐん迫ってきて、同時にツェルマットの村が足元に吸い込まれていきます。最初の停車駅はフィンデルバッハ。車窓の左側に滝が迫ります。
他にもダイナミックな山々が迫ってくるので、到着まで飽きることなくワクワクしていました。ツエルマットから登山列車で約40分、そしてそして待ちに待った展望台からの景色は感動の嵐です!
もしも「眺めのよい電車世界トップ10」を選ぶとしたら、きっとランクインすると思います。
次のリッフェルアルプを過ぎると谷の向こうにミシャベル連峰の氷河が見えてきます。雪崩よけの長いトンネルを過ぎると、マッターホルンがハンサムに見える場所として知られるリッフェルベルクに到着。
次のローテンボーデンは氷河を越えてモンテ・ローザへ行く登山道の出発点。このあたりからガレ場が多くなり、景観に感動したり、写真を撮ったり、終点まではあっという間です。
ゴルナーグラート駅に到着すると、セントバーナード犬と一緒にマッターホルンを背景に記念写真を撮ることができます。もちろん有料です。この類の記念写真を撮ることは避けていたのですが、ここはスイス。せっかくだから!という気持ちは起こりませんでした。遠目で写真をおさめておきました。
展望台からの360°のパノラマは素晴らしい!様々な角度からのマッターホルンや、他の山々と氷河は見る価値大です。空気がおいしいので大きく深呼吸をして下さい。
展望台は標高3000mを越える場所なので、上り坂で息が切れます。慌てずゆっくりと歩くのがコツです。登山列車の路線に沿ってハイキングコースがあるので、時間がれば様々な場所からマッターホルンを眺めてください。ゴルナーグラートの展望台はホテルのすぐ裏側にあります。
スイスで最も有名な山とも言って過言ではない『マッターホルン』。最も美しいと言われる山で、ヴァリス州とイタリア境にあります。観光拠点はツェルマット。スフィンクスやピラミッドにも例えられ、見る角度によってその姿を変えます。
展望台へ向かうゴルナード登山鉄道の車窓からは4000m級の山々を望めますが、中でも美しいのが、ピラミッドのように尖った山容が印象的なマッターホルンです。
余談ですが、こんなに美しいマッターホルンでも、中世には「魔の山」と恐れられたそうです。鋭い山容で見るからに登頂は難しそうだが、初登頂を成し遂げたのは、イギリス人登山家のエドワード・ウインパー。1865年7月、8度目の挑戦での快挙でした。しかし、下山中に事故が起こり、7人中4人が谷底に落ちて悲劇の結末を迎えてしまいました。
展望台に上らずにツェルマットの町から眺めるなら、マッターフィスパ川沿いの、ホテルパルナス『Hotel Parnass』前の橋からがおすすめです。
ツェルマット周辺には「あぁ、生きてて良かった!」と感動するほど素晴らしい景色が現れるハイキングコースがいくつもあります。是非ともハイキングを堪能してください。
展望台は夏でも雪が積もっていることがあるので、暖かい上着、滑らない靴、サングラスは必需品です。晴れていても風は冷たく、降り注ぐ紫外線は強烈です。日焼け止めもあったほうが良いでしょう。
夏(7月)の平均最高気温は19℃、最低気温は7℃。冬(1月)の最高平均気温は0.2℃、最低気温が-8.5℃です。かなりの気温差があるので、しっかり準備をして下さい。
私たちは10月だったため、ニット帽をかぶり、ダウンジャケット着こんで寒さ対策をしました。かなりの風と寒さですので、防寒着は必須です。展望台で30分ほど周辺を歩きましたが、体感温度で言うと5℃くらい。日本の12月下旬あたりでしょうか。寒がりの人も、体調管理をするためにも、しっかりと準備しましょう。
ハイシーズンは人が多すぎるので、出来れば始発に乗り込むのがおすすめです。朝日に輝く山々と氷河は、昼の顔とは大違いらしく、ホテルの朝食をキャンセルても見る価値はあります。行くなら山々に日差しが当たる午前中がおすすめです。
山のてっぺんが赤く染まる朝焼けマッターホルンを見るのに人気な場所は「日本人橋」日本がよく来る橋なので、そう呼ばれるようになったそうです。ツェルマットは新潟県妙高市の姉妹都市でもあり、日本と縁がある村ですね。
展望台に上らずにツェルマットの町から眺めるなら、マッターフィスパ川沿いの、ホテルパルナス『Hotel Parnass』前の橋からがおすすめです。
ツェルマットでマッターホルンを満喫した後は、鉄道でグリンデルワルドへ。ツェルマット⇒フィスプ⇒シュピーツ⇒インターラーケント⇒グリンデルワルドと、乗り換えが多いですが、スイス国鉄HPで事前に駅のホームを調べていけば、全部小さな駅なので、乗り換えは簡単です。
ただし、インターラーケンでの乗り換えの際は、前と後ろで、行き先が異なるので、必ず行き先を確認して車両に乗りましょう。前半分がラウターブルネン行き、後ろ半分がグリンデルワルド行きで、2番目の駅ツヴァイリチューネンで分割されます。
到着したのは18時30分頃。辺りは夕闇に包まれていました。鉄道を降りて駅を出ると、目の前にアイガーとヴェッターホルンの黒々とした岩壁がそそり立っています。長野県松本市と提携しているこの村は、にぎやかなのはメインの通り沿いだけ。そこから少し離れただけで、のんびりとしたアルプスの山村の風景が広がります。
グリンデルワルト駅前から延びる通りで、村のメインストリート。ホテルやレストラン、土産物やスポーツ用品店が軒を連ねています。駅から歩き出すと、コープやミグロ(スーパー)があります。ただし、営業時間は8時~19時までのところが多いので、ホテルで食べる軽食やドリンクを買うなら、夕飯前に買い込んでおくと良いです。
村は小さく徒歩で充分です。夕飯前には、当地ブランドのマムートストアやモンベルなどのスポーツショップを覗いたり、土産物屋をのぞいたり、静かな村を散策しました。そういえばモンベル創業者の辰野勇氏はアイガー北壁の最年少登頂(当時)しているのですよね。
グリンデルワルト村内には、約25件のホテル内レストランと、約10件のレストランがあります。基本的にはスイス料理が中心ですが、フランス料理、イタリア料理など豊富な料理が食べられます。
スイス料理は、ドイツ料理やイタリア料理、そしてフランス料理の影響を受けていますが、特にスイス料理は、どこでも日本人の口に合う味付けなので、まずくて食べられないという事はありません。昔からの習慣で、塩分補給のため、岩塩を使用した「塩っぽい」味付けの所が多い気がしました。
上の写真『ブラートヴルスト』は、山のレストランでは定番のグリルソーセージにソーズをかけたシンプルな料理。ドイツ語圏の料理ですが、スイス全土で食べられます。地域によってソースの種類が異なります。付け合わせはフライドポテトやレシュティ。
その『レシュティ』とは、短冊状に切ったジャガイモを茹で、それをパンケーキのようにフライパンでこんがりと焼いたもの。これだけで食べることはあまりなく、付け合わせとして出てくることが多いです。ドイツ語圏の料理。
上の写真、メニュー名は分かりませんが、これもドイツ語圏の料理。サクサクッとした大きなパイの中には、細切りにの牛肉などが入った具だくさんのクリームソースがたっぷり。まろやかなクリームソースと牛肉の触感はもちろん、ボリュームもたっぷりなので満腹感も得ることができます。付け合わせはフライドポテトが多めに入っていて大満足でした。
一度は肉眼で見てみたかった、スイスの象徴マッターホルン。壮大な姿には感動しっぱなしでした。晴れていれば綺麗に見えますが、あいにくの悪天候でも、1~2日あれば天気が良くなるはずです。出来ればツエルマットに滞在してチャンスを伺ってください。見ずに帰るのはもったいないです。
また早朝のマッターホルンもまた格別だそうです。昼の顔とは大違いらしく、山々に日差しが当たり赤く染まります。ホテルの朝食をキャンセルしてでも見に行く価値がありますよ!