スイス人は、何語を話すでしょうか? スイス語? 残念ながら、スイス語はありません。スイスは比較的よく英語が通じると言われていますが、全ての人が英語を話すわけではありません。
英語が公用語ではないスイスでは、どうやってコミュニケーションをとっていけば良いのでしょうか?旅行前に知るべきポイントを説明します。
英語と言われても、「ワタシャ全く自信がない・・・」なんて声が聞こえてきそうですね。 なにもペラペラ話さなくても、知っている片言の単語をつなぎ合わせるだけでも大きな武器になります。
Contents
スイスの国語は、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語です。四つもあるのです! スイスに行ったら、スイス・フラン紙幣をよく見てください。発行元の「スイス国立銀行」と金額が四つの国の言語全て表記されています。
普通はお札に書かれている文字をマジマジと見ることはありません。ほとんどの人がお札に書かれた数だけを頼りにお金を払うはずです。私も全く意識しませんでした。言葉が通じなくても、全世界、お金にはラテン語表記してあるので、ラテン語はありがたいですね。
ところで、硬貨は四言語を書くにはスペースが少ないですね。ここで、英語がでてきそうな感じがしますが、そこは歴史あるスイス。四言語は一旦封印し、ラテン語を使って解決。ラテン語ならば、どのことばを話す人からも文句はでません。
ちなみに、スイスはラテン語で「ヘルベティア」といいます。スイスの硬貨には、ちゃんとラテン語で書かれています。私は数字を見てお金を払っただけで、硬貨や紙幣をマジマジと見たことはありませんでした。数字の大きい順にサイズも比例するので、迷うことなく使えますよ。
スイスの公用語は何語かご存知でしょうか?以下の4つが公用語となっています。
スイスは四方をフランス、ドイツ、イタリア、オーストリアに囲まれているため、異なる言語が地域によって話されているのも納得です。
その中でもドイツ語を母国語とする人が60%以上と大多数を占め、フランス語のネイティブスピーカーが20%程度で続きます。一方、イタリア語は6%、ロマンシュ語に至っては1%未満となっています。
しかし、どの公用語も平等に扱われるべく、商品の成分表示などは4つの言語で記載されています。主に話される言語は地域ごとによって分かれ、フランスと国境を接する西側がフランス語、ドイツとの面する東北部がドイツ語、イタリアとの国境沿い南部がイタリア語です。
私は上の四か国語は一切話せず、覚えるのも面倒なので、終始片言の英語で通しました。ガイドブックに載っているような挨拶程度は、少し話しましたけれど。通じていたかは疑問です。旅行する地域がどのあたりで、どの言語地域に属するのかチェックし少し頭に入れておくと、もっ楽しい旅になると思います。
ドイツ語、フランス語…。大学の第二言語で少しは習ったけど、会話するほど自信がないという方も多いかもしれません。英語ならなんとかと思っている方は、ご安心ください。
スイスはアルプスハイキングなどで世界的な観光地です。様々な国からゲストを受け入れているため、観光地での主要なホテルやレストランでは英語は非常によく通じます。観光客が訪れるレストランは、英語メニューも充実していますので、ドイツ語やフランス語が分からなくても心配はいらないでしょう。標識についても、有名な観光地では英語での案内も掲示されています。
もし、英語表記がなくても、ドイツ語、フランス語などは基本的にはアルファベット表記に近いので、手元のガイドブックやメモと地名を照らし合わせれば、理解できるでしょう。
私は列車に乗ってひたすらと目的地を駆け足で回っていたので、片言の英語だけでもそれほど不自由はありませんでした。ホテルに行けば名前を告げるだけで良いし(もちろん予約確認書を提示する前提です)。幸いにトラブルが無かったので、言葉で困る事はありませんでした。
4つの言語を公用語としているスイスですが、実際に4つすべてを話せるスイス人というのは、それほど多くはありません。それどころか、ドイツ語のネイティブスピーカーでフランス語が話せない、フランス語を話すスイス人でドイツ語が理解できない人も結構いるのです。
このようなとき、お互いにコミュニケーションをとるため、英語を使用することが多いそうです。こうして日常的に英語を使う機会が多いことから、スイスでは観光業に従事していない人でも、英語を話せる人が数多いわけです。
スイスで使われる英語は、イギリスなど英語を母国語とする人たちがペラペラ話す英語よりも、むしろはるかに理解しやすいと思います。 また、全体的に若い人の方がお年寄りよりも通用度は高くなります。
英語の通用する確率を状況別にまとめてみました。
お気づきのように、どの場面かによってかなり英語が使える確率が変わります。駅の車掌やホテルのフロントは、ほとんど問題ありませんが、 タクシーの運転手などはかなり厳しいかな・・・という状況です。
スイスはヨーロッパ各国から多くの外国人労働者を受け入れています。彼らにとって、母国語に加え、英語よりもまずドイツ語や フランス語が必要になり、英語はほんのカタコトという人が多くなります。まあこちらもカタコトならお互いさまですね。
一般的に英語がよく通じるスイスですが、英語で用事が済ませられないことも起きるでしょう。例えば、レストランで注文を取りに来てくれたウェイターに英語が通じない場合などです。
もし、聞きなれないドイツ語やフランス語で話しかけられたら、英語での対応を希望すれば、英語の話せるウェイターやウェイトレスを連れてきてくれます。
「そのカタコトも全くダメ」という場合も、あきらめることはありません。ここでしっかり情報を収集すれば、 言葉の壁をかなり乗り越えることが可能です。
スイス人にとっても英語は母国語ではないので、さすがに道を歩いていたりする普通のおばちゃんなどに 英語で話しかけても通じるとは限りません。ただスイスのどんな田舎でも、 駅やホテルならほとんどのスタッフは英語を話します。
スイスの公用語が4つもあるということを知らなかった方も意外に多いのではないでしょうか。九州ほどの大きさの国ですが、地域ごとに話す言葉が分かれ、言語の表示も最大4つになるなど、日本では味わえない雰囲気も魅力です。
初めてスイス旅行をし、最初は漠然とした不安と共に移動していたものです。 ところがグリンデルワルトの登山電車の駅で、日本人の実年夫婦が知っている単語をもう無茶苦茶につないで、 駅員となんとか意思疎通をしている日本人を見ました。何やらガイドブックを見せて、指さしたり覗き込んだり。駅員さんも親切に対応していました。「それなら自分でも大丈夫だ!」と妙に勇気付けられた事を想い出します。
『そもそも英語が苦手!!』という人でも、観光地では英語は広く通じますので、安心して旅立っていただければと思います。